「stable diffusion」の登場から1年経ちました。この1年でAIイラスト界隈はいろいろ進みましたね。
最初は生成だけだったのでVRAMは8GBでも良い!という意見もありましたが、LoRA学習が主流になり、8GBじゃ不都合が出てくるようになりました。
また、2023年7月に出たSDXL 1.0という破綻が少なくハイクオリティなイラストを生成することが出来ると言われるモデルは、低VRAMでは動かす事すら難しかったりします。
AIイラスト初期に「このスペックで十分」と言われて買ったPCで動かせない人は涙目でしょう・・・。
また、これを機にPCを新調しようと思っている方もいると思います。
なので今回は、AIイラストの生成と学習用に最適なPCを紹介します。
画像生成AI向けのパーツの選び方
CPUやメモリ、GPUなど、画像生成AI向けPCのパーツを選ぶ際に参考にしてください。
GPU
一番重要となる部分です。主なグラボはNVIDIAとAMDの出している物がありますが、NVIDIAを選びましょう。AMDグラボでも動かせるようですが、画像生成AIの導入やエラーの解説記事はNVIDIA環境のことがほとんどなので、情報収集や共有といった点でもNVIDIAのグラボをオススメします。
また、必要スペックについてですが、基本的にVRAMの多さで選びましょう。
最低2GBでも動いたという情報もありますが、この辺りは本当に”動く”というだけで、満足に画像生成が出来るとは思わない方が良いです。
現実的なところで言うと、VRAM8GB以上です。ただし、8GBだと将来的に不安・・・というよりも、もう既に出ているSDXL 1.0系のモデルを動かすのが厳しいです。
なので今から画像生成AI用で購入するなら、最低でも12GBのグラボを購入しましょう。
また、注意点としては、VRAM容量が多いからと言って生成速度も速いとは限りません。
VRAM10GBのグラボとVRAM16GBのグラボを比較した時、生成条件によってはVRAM10GBのグラボの方が速いです。
ただし、VRAMが多い方が出来ることが増えます。先述したSDXL 1.0の実行やLoRA学習などがそうです。
CPU
画像生成AIに於いては、CPUはあまり重要視されていません。というのも、画像生成AIはグラボと、そのVRAMが重要なので、CPUに関しては性能を求められていません。
とはいえ、性能の低いCPUを使用している場合、それがボトルネックになりパフォーマンスを最大限発揮できない可能性があるので、予算が許すのであれば高性能なCPUを選択することをおすすめします。
メモリ
AIイラストをローカルで動かすのに使われているツールは主にweb-uiですが、こちらの推奨メモリは16GBということなので、とりあえず最低16GBと覚えておきましょう。もし、学習もやりたいというのであれば32GB以上あった方が無難です。
ストレージ(HDD/SSD)
とりあえず1TB以上あれば大丈夫です。パーツの換装が出来ない人でも、ストレージは外付けが可能なので、足りなくなったら外付けHDDなどを購入して対応できるのでそこまで考えなくも良いかと思います。
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おすすめPC① RTX3060(12GB)搭載PC
まずはAIイラスト入門用とも言えるグラボ、RTX3060(12GB)搭載のPCです。
入門用と言ってもVRAMが12GBあるので、生成はもちろんながら、LoRAの軽めの設定での学習もこなせるオールラウンダーです。なにより値段も安いのでおすすめです。
RTX3060(12GB)搭載のおすすめBTOは以下。
■スペック
・CPU : Intel Core i7-13700F
・GPU : RTX 3060(12GB)
・メモリ : 32GB
・SSD : 1TB
GPUはRTX3060(12GB)、メモリも32GBあるので入門用としてオススメできます。
また、RTX3060の注意点ですが、RTX 3060にはVRAMが8GBのモデルも販売されていますが、画像生成AI用に於いて8GB版は購入してはいけません。購入する前にVRAM容量をしっかり確認しましょう。
おすすめPC② RTX4060Ti(16GB)搭載PC
画像生成AI用ではコスパ最強のグラボなのがRTX4060Ti(16GB)です。
VRAMが16GBもあるので、高解像度イラストの生成にも適しています。もちろんLoRAなどの学習も出来ます。
ちなみに、他のVRAM16GB以上のグラボは、RTX3090、RTX4080、RTX4090、といったハイエンドモデルのみで値段も倍以上違うので、コスパ重視なのであればRTX4060Ti(16GB)が最適でしょう。
RTX4060Ti(16GB)搭載のおすすめBTOは以下。
■スペック
・CPU : Core i7-13700
・GPU : RTX 4060 Ti (8GB) → RTX4060 Ti(16GB)
・メモリ : 32GB
・SSD : 1TB
グラボがデフォルトでは8GB版ですが、カスタマイズで16GB版に変更出来るので忘れずに変更しましょう。8GB版を購入しても、満足に画像生成AIを動かすことが出来ないので、絶対に忘れないでください。
おすすめPC② RTX4090搭載PC
個人向けのグラボでは最強!VRAMは驚異の24GBです。
このモデルの1つ下にRTX4080もありますが、画像生成AI用で考えるなら選択肢に入れなくても良いでしょう。RTX4080のVRAMは16GBなので、RTX4060Tiと同じです。生成速度はRTX4080が上ですが、RTX4060Tiでも許容範囲だと思うので画像生成AI用としてはRTX4060Ti(16GB)の次はRTX4090と考えて良いでしょう。
RTX4090搭載のおすすめBTOは以下。
■スペック
・CPU : Core i7-13700K
・GPU : RTX4080 (16GB) → RTX 4090 (24GB)
・メモリ : 32GB
・SSD : 1TB
デフォルトではRTX4080になっていますが、カスタマイズでRTX4090に変更できます。
これを買っておけば、当分はスペック不足になることはないはずです。そもそも、このスペックでも動かせないとなると、個人がローカルで動かすモノではない気がしますが。
初心者にもおすすめ!カスタマイズ性の高いBTO
カスタマイズ性の高いおすすめのBTO”サイコム“を紹介します。
上記で紹介したBTOではカスタマイズ性が低く、パーツのメーカーも届くまで分からないことが多いです。この場合、マザーボードも必要最低限のものが取り付けられていることが多く、USB端子が少なく使っていて不満が出てくることもあります。
また、CPUクーラーも空冷にしたいのに簡易水冷しか選べないということもあります。
ですがカスタマイズ性の高いショップだと、PCを自作したことが無い人はパーツの相性問題や適した電源を選ぶのに苦労してしまいます。
そこでサイコムです。サイコムはカスタマイズ性が高く、相性に問題のあるパーツの組み合わせでは警告が出るようになっているので、初心者でも安心です。しかも他のBTOでは簡易水冷しか選べないCPUでも空冷を選べるようになっています。
それではサイコムのおすすめPCを紹介します。と言っても大きく分けて2つしかありませんが。
また、なぜサイコムがオススメなのかは以下の記事を参考にしてみてください。
サイコムのゲーミングPCをおすすめする理由
おすすめ①スタンダードモデル(ミドルタワー)
まずはスタンダードモデルです。
スタンダードモデルは、デフォルトでは画像生成AI向けの構成にはなっていませんが、そこはカスタマイズ性の高さを活かして好きにカスタマイズしていきましょう。
また、次に紹介するゲーミングPCとの違いは、簡易水冷クーラーが選べない事と、選べるケースが豊富、ストレージを3つ選べるということです。
おすすめ②ゲーミングPC
続いてゲーミングPCです。
こちらはゲーミングPCと言っているだけあって、デフォルト構成でもそこそこのスペックになっていますが、一部のパーツが画像生成AIには不向きな物が設定されているため変更しましょう。
スタンダードモデルとの違いは、ケースがほぼ固定なところとストレージが2つまでしか選べないということ。しかしこちらはCPUクーラーに簡易水冷が選べます。
ケースはともかく、ストレージは外付けで対応も出来ますし、さほど問題にはならないでしょう。
最後に
安物買いの銭失いにならないように、しっかりと考えて購入しましょう。
それでは!
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